朝が好きだ
朝が好きである。
「朝」という言葉の響きが好きである。
明日になったって、どうせ私は私のままなのに、朝になったら、いまと違う自分が待ってるって期待している自分がいる。
朝が来たら、ベッドの上でぐーたらしただけの生産性のかけらもない今日も、1年前から何も成長していない今の自分も、全部ぜんぶリセットされて、チャラになって、またいちから始められるんだ、スタートラインに立てるんだという甘い幻想。
20年弱しか生きてない私でも、その幻想はきっと、どこまでいってもあまいあまい幻想なのだと何となく気づいている。
それでも私は朝に期待し続けるのだ。
明日の朝には、まっさらな私が目を覚ますのだと。